風の港クラヴォニア。
　3エリアに分かれ、周回が長く資金繰りが厳しい上に土地数が少ないこのマップでは、ともすると殴り合いの泥沼な展開になりがちです。
　今回の対戦相手はボイラーズさん、獅子丸さん、れっつらさんとリーグ参加者の武闘派が揃いました。スパー期間中も他卓のリーグ参加者やフレンドから 「絶対荒れ場になる」 と言われた我らがE卓。まずは私達の戦闘回数を見て頂きましょう。

　れっつらさん以外殺る気がありません。
　それもそのはず。ボイラーズさん・獅子丸さん・私の三名はフェアリーライト入りの引きこもりブック。空気を読めなかったれっつらさん一人ハンターソング入りの侵略ブックでした。

　さてクラヴォニアでの引きこもり戦術の場合、護符の買い易さから東エリアをテリトリーにするのがセオリーです。侵略ブックのれっつらさんと初手にクリーチャーが無かった獅子丸さんは西エリアから周回。一方初手にクリーチャーがあったボイラーズさんと私は東エリアから周回します。ボイラーズさんは東の地護符を10枚購入し、地土地を確保。同じく初手クリーチャー有りの私も東エリアの地護符を9枚購入します。ここであえてボイラーズさんよりも一枚少なく護符を買ったのは 「とりあえず潰し合うのは止めて、お互い協力していきましょう」 というメッセージをボイラーズさんに提示する為でした。もともと引き籠り戦術は周回数が少ないため護符ボーナスは勘定に入れていませんしね。

　序盤の展開ですが、東エリア滞在中にフェアリーライトを引いた私は一周目から引き籠り開始。一方ボイラーズさんは初手にリフュージが有りましたが、2R目に獅子丸さんのセフトで奪われた為、一周目は通常周回をせざるを得なくなります。
　一周目でれっつらさんは西砦横という絶好の場所にミストウィングを配置後、即レベル2へと積極的にあげます。これを見てボイラーズさんは5枚・獅子丸50枚西水護符に相乗り。しかしレベル上げを敢行した当のれっつらさんは何故か北水護符20購入。更にトレスパス収入で獅子丸さんが北水護符を26枚購入し護符長者になりました。
　序盤にクリーチャーを殆ど引かず双六状態の獅子丸さんがこれだけの護符数を誇ったのは、間違いなく れっつらさんの所業です。つーかれっつらさん？何で私たちが引き籠り戦術を選択したか分かってますか？トレスパスゲーにしたくないからなんですよ。だと言うのに獅子丸さんがトレスパス時に迷う事無くパーミを使用するっていうのは一体どういう了見なんでしょうか。　
　そんな空気を読んでくれない れっつらさんはハンターソングを使用しつつ私の東エリアに侵入、グラディで襲いかかってきます。正直手持ち魔力的にカウンターアムルを使用するのはきつかったんですが、この手の侵略ブック使いは一度許すと調子に乗りやがるので意地でカウンターで迎撃。もう二度と来るなよ。
　
　ボイラーズさんはシニリティ等の厨スペル満載の私と東エリアで争うのは得策ではないと判断したのでしょう。一周目の西エリアでクリーチャーを2体配置すると、東エリアの地土地をレベル2にあげ、れっつらさんとトレード。さらに西地護符を購入してリフュージを使いまわしと西エリアをテリトリーとして引き籠りを開始します。更に れっつらさんからトレードで奪ったミストウィングに投資しトップに。
　獅子丸さんは10Ｒ辺りからようやくクリーチャーを引き始め、ボイラーズさんと同じく西エリアにクリーチャーを3体配置し展開。
　私は13R時点でクリーチャー6体配置と東エリアに一人で悠々と展開します。しかしフェアリーライトとスパッドフォークがいるのにサクヤ地変やブランチ変身に手を割いてしまい手持ち資金は常にギリギリの状態。やはり変身を前提にマッドマンを入れずにブランチアーミーのみ投入したのがいけなかったのでしょうか。
　更に14R私はリンカネでコラプションを引きます。護符長者の獅子丸さんを潰す絶好のチャンスでしたが手持ちが厳しい為、リフュージを優先。しかしここで侮られては負けです。プレッシャーをかけておきましょう。

　ZAKURO「獅子丸さん、私に相乗りしたらコラプ打ち込みますよ」
　獅子丸さん「はい。わかりました」
　これでよし。
　
　ここから先は怒涛の中盤戦。
　れっつらさんはハンターソングで当たり構わずぶん殴り、3Hit。更に北エリアに２連鎖レベル４を作成して北水護符を計50枚購入。引き籠り３人の為通行料が期待できないのが難点ですが形を作ります。
　獅子丸さんは護符売りと通行料とでボイラーズさんは４連鎖レベル４をトランスで資金を作り、それぞれ４連鎖レベル５を作成。
　逆に私は手持ち資金が少なく少々遅れ気味。獅子丸さんとボイラーズさんが上記の形を作っている時にようやく４連鎖レベル４とします。
　この獅子丸さんとボイラーズさんが圧倒的有利の中、れっつらさんはノリノリで私の連鎖を潰してくれます。れっつらさん、ほんとに勘弁して下さいよ。しかも東エリアでは散々暴れてくれたのに、獅子丸さんとボイラーズさんが展開している西エリアでは侵略ナシってどういうことですか。
　更に中盤私は決定的なミスを犯します。全員が総魔力2000〜3000ラインで競っていた18R、私の手札に手札にコラプションが２枚ダブりました。この時ボイラーズさんがラントラ直後だった為、私の関心はボイラーズさんに注がれていました。そのせいで獅子丸さんの護符枚数のことをすっかり忘れてしまい、一瞬コラプ使用を保留。獅子丸さんはその隙をついて西エリアにレベル5を作成、護符価値が跳ね上がります。これ以降下手にコラプを打てばトランスを助けてしまう為、手札にあるのに打つに打てない状況になってしまいました。

　ここから各人が終局へ向けて動き出します。
　２４Ｒ、ボイラーズさんは獅子丸さんのドレインをサプレ。先のトランスを見据えての処置でしょう。
　２６Ｒ、獅子丸さんは城直止まりダイスが出て護符売りと周回ボーナスを土地に注いで目標魔力突破。あと半周でゴールです。
　２７Ｒ、ボイラーズさんと私がレベル5をトランス。ここから一気に上がりへと向かいます。

　２８Ｒ、私はダイスが９と大きく、行先は聖堂を超えて城一歩先。ここが勝負時と判断した私は、トランス資金で東護符を50追加買いし、周回ボーナスをからめてレベル5を作成し目標魔力突破。リコール持ちのリーチです。
　しかしれっつらさんの手札にシンクがあることを見逃していました。これを拠点に撃ち込まれて5000ラインまで落とされます。

　獅子丸さんはダイス５を出し次Ｒ達成圏内に入りました。ここは当然ボイラーズさんがリコール妨害をするだろうと思ったのですが、何とボイラーズさんはスルー。
　ボイラーズさん、もしかして気づいていないのか？　それとも同じリコール持ちの私に仕事を押し付けたのか？　いいえ、違います。ここでボイラーズさんが動きます。先ほどのラントラ資金をグリマルキンに投資して8000G突破。リコール所持のリーチです。
　私はリコールを使用して、先程シンクを撃ち込まれた拠点をサクヤ地変で戻し、再度目標魔力を突破します。獅子丸さんとボイラーズさんが足勝負の状況では無意味に思える一手ですが、このラウンドの私のドローはエスケープ。そして北エリアの土地は全て埋まっています。つまり「れっつらさんか獅子丸さんがボイラーズさんを止める」→「獅子丸さん牛歩」ならば私の勝利です。かなり細い勝ち筋ですが、１％でも可能性があるなら勝負をかけるのがセプターというものでしょう。
　獅子丸さんかボイラーズさんか、それとも私か。次が事実上の最終ラウンドです。

　30Ｒ、一番手はれっつらさん。
　手札にはチャリオットや手札を回すリンカネと色々揃っていますが、先ほどの私へのシンク無理打ちのせいで手持ち魔力は33G。結局何もせずにターンを終了します。

　フザケンナ、テメェ！れっつらさん、この野郎！
　あなたこの勝負時に一体何トチ狂った事してくれてるんですか。
　つーか私には散々妨害を重ねてくれたくせに、獅子丸さんとボイラーズさんには最後までスルーってどういう了見ですか。
　どうやら れっつらさんにはヤキを入れてやらないといけませんね。
　この後、体育館裏に来るように。

　二番手は獅子丸さん。
　獅子丸さんのドローは・・・・・・・・・・・・シンク！

　さっすが、獅子丸さん！　私は貴方を信じてた！

　このシンクをスパッドフォークに打ち込み、ボイラーズさんの達成は無くなります。しかし問題は獅子丸さんのダイス目。城まで後８歩。ダイス確率２/９で達成です。

　「一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！一、出ろ！」

　もはやプライドも何もなく、ボイチャで必死に呪いをかける私。
　そして獅子丸さんのダイスは・・・・・・・・・・・・１！

　さっすが、獅子丸さん！　私は貴方を信じてた！

　獅子丸さんはロケットダイスに文句を言いながら占い館に着地。スペルを選択し、トレードを引きますが、大勢に影響はないでしょう。

　三番手はボイラーズさん。
　先程のシンク打ち込みで総魔力は6599G。さらに城まで後13歩残しているため、仮に地変を引いたとしてもこのラウンドでの達成はありません。
　「これで私の勝ちだなー、久しぶりだなー、勝利コメント何にしようかなー」などと呑気に考えていた私でしたが、ボイラーズさんの手札を見て凍りつきました。

　「ボイラーズさん、サプレッション 持ってるじゃん」

　これはシャレになりません。私はすでにリコールを引き切っている為、ここでエスケープを消されたら足勝負では勝てません。正直終わったと思ったのですが、ボイラーズさんは自分の手札と盤面を見比べて長考しています。

　「あれ、ボイラーズさん私の勝ち筋に気づいてないのか？」

　ならばここはポーカーフェイスで凌ぐしかないでしょう。「気づくな、気付くな」と念を送りながらボイラーズさんの動向を見守ります。私にとって永遠とも思える長い時間、スペルターン３０秒フルに使ってボイラーズさんが出した結論は・・・・・・。

　サプレッション → 獅子丸さん所有トレード

　私がホッと胸を撫で下ろすと獅子丸さんから物言いが。

　「今のはZAKUROさんの エスケープ を切らないとまずいんじゃ・・・」

　何と獅子丸さんは私の上り筋に気づいていたそうです。しかし確証が持てなかったことと、いくら口ハウント有とはいえあまりにもあからさま過ぎるのは紳士的ではないと自重していたとのこと。

　さっすが、獅子丸さん！　私は貴方を信じてた！

　最後は何の障害も無くなった四番手の私が城上エスケープで勝負あり。
　30Ｒ、武闘派による引き籠り対決に幕を下ろしました。